天ぷら屋の大将
昨日、こんな話になった。
とある天ぷら屋に、行った。
店構えも、味も、お値段も、なかなか高級だった。
でも、なんだか落ち着かない。
なんでだろう?と腑に落ちないでいた。
後になって気付いたことがあった。
味は満足している。
揚げてる人が若い料理人だった。
貫禄のある無口な大将が揚げていたら、と思ってしまった。
若い人はダメという話をしたのではない。
60歳を過ぎて定年退職した人が、
働きたいと思っても、就職先はなかなか見つからない。
ましてや雇ってくれるとも思っていない。
古巣や同業界には戻りたくない。
「大将」という職は案外ありかもしれない。
天ぷらも料理もできなくてもいい。(もちろん、できてもいい)
カウンターの中で、無口にしていればいい。
お客さんの心はどこか安心している。